ぎっくり腰は突然発症し、非常に強い痛みを伴う腰痛の総称として呼ばれています。重いものを持ち上げたり、前かがみの姿勢で生じる場合が多いですが、くしゃみをしただけで発症するケースもあります。
人によって何度も繰り返し発症する場合もあるため、日常生活に大きな支障をきたします。ここではぎっくり腰の原因や症状、予防方法などについて詳しく解説します。
ぎっくり腰は正式な名称ではなく、医学的には「腰椎捻挫」や「急性腰痛症」と診断されます。急な激しい痛みを伴うので欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれています。
腰に急な負荷がかかり、腰椎周辺の組織が損傷することで発症しますが、はっきりと原因を特定することが難しく、レントゲンなどでも原因が特定できない「非特異的腰痛」と診断されることが多いです。
腰に激痛が生じ、起き上がったり、前にかがむことが困難になります。痛みの感じ方は様々ですが、その多くは「ズキンとする」「ピキッと突き抜けるような痛み」「ビーンと電気が走るような感じ」などと言われます。
動くと強い痛みが現れますが、横になり安静にしていれば痛みが落ち着くことが多いです。痛みは数日で落ち着く場合が多いですが、なかには1ヶ月以上痛みが続くこともあります。足のしびれが伴う場合は神経に障害が生じている可能性が高いため、早めに病院を受診することをお勧めします。
腰への過剰なストレスが主な原因として挙げられ、特に座りっぱなしや立ちっぱなし、中腰姿勢の作業など、長時間同じ姿勢をとることで継続的に負担が腰に蓄積することが原因の場合が多いです。負担が蓄積することで日常の何気ない動作(顔を洗う、くしゃみをするなど)でもぎっくり腰になる方もいます。また、一回の瞬間的な強いストレス(重いものを急に持ち上げた、無理に腰をひねってしまったなど)でも発症する場合や、身体機能の低下(筋肉の衰え)が原因で結果的にぎっくり腰を引き起こすこともあります。
問診や視診、触診などの診察で、痛みが出る動作、場所、程度などを確認します。画像検査が必要な場合はレントゲン撮影を行い、骨折や変形がないか、背骨と背骨の間隔が狭くなっていないかなどをチェックします。
痛みが長引いていたり、足にしびれがある場合には、MRI撮影で詳細な検査を行うこともあります。
多くの場合は数日間安静にすることで痛みが落ち着いていきますが、激しい痛みを伴う場合は応急処置を行い、痛みの回復を図ります。
発症直後や痛みが強い時にマッサージやストレッチをすると、痛みが増して逆効果になることがあるため、控えることが望ましいです。
無理せず痛みが引いてからリハビリを行うことは再発防止にもつながります。運動不足やデスクワークの方にも効果的です。
主に応急処置として薬物療法、装具療法、トリガーポイント注射などを行います。
トリガーポイント注射
腱、筋肉、筋膜の炎症が原因で押すと痛みを感じる部位のことをトリガーポイントといい、この部位に鎮痛薬や筋弛緩薬を打つことで疼痛を和らげる効果があります。施術後すぐに帰宅出来ます。
装具療法
コルセットで腰の動きを制限し、安定させることで痛みを緩和させます。
人によりますが、一度ぎっくり腰を発症すると再発しやすくなると言われています。
ぎっくり腰を予防するには、腰に負担のかかる動作を控えて普段の生活動作を見直すことが大切です。繰り返し発症してしまう方は、根本的な原因が改善できていない可能性もあるため、予防対策をしていくようにしましょう。
特に腰への負担をかけやすい動作について解説します。
ぎっくり腰は前触れなく突然発症する場合もありますが、以下のように予兆が起こることもあります。
このような症状がある場合、ぎっくり腰になる前触れかもしれないので、無理な動きは控えて姿勢には十分注意しましょう。
ぎっくり腰の応急処置
痛みに応じて鎮痛薬や筋弛緩薬を注射し、コルセットを用いた装具療法を行います。 楽な姿勢で安静にすることも重要です。
ぎっくり腰は再発するのか?
再発することが多いです。
予防のためのストレッチや筋トレ、私生活の見直しが大切です。