膝関節の痛み・障害(下肢の症状)

変形性股関節症

変形性膝関節症は、膝関節で向かい合っている大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の連結部分の表面を覆い、衝撃をやわらげるクッションとしての働きを持つ軟骨がすり減ることが原因で引き起こされます。
加齢により、軟骨がすり減ります。年齢を重ねると、軟骨の水分が減少して弾力が低下し、関節のクッション性が損なわれてしまうのです。

また、筋肉の衰えも変形性膝関節症の原因になります。筋肉が衰えると、膝関節を筋肉で支えることができず、関節への負担が大きくなり、軟骨がすり減りやすくなります。そのほか、O脚やX脚などの脚の変形がある方は、膝への荷重バランスが偏ることで変形性膝関節症を発症しやすいと言われています。比較的若い年代でも、激しいスポーツや転倒による膝の損傷がきっかけで、変形性膝関節症を発症することもあります。

変形性膝関節症は進行性の病気のため、進行の程度に応じて「初期」「中期」「末期」の3段階に分けられます。症状が進行する前に、初期の段階で早期に治療することが大切です。

それぞれの段階別に現れる、症状の特徴を紹介します。

■ 初期

発症初期では、平地で歩行するときは違和感がなくても、階段を昇るときに痛みを感じる、正座をするなど、何か特定の動作をしたときに膝が痛くてつらい、などの症状を自覚します。さらに膝に水がたまって腫れる、重くてだるいなどの症状も現れる場合があります。

初期段階では、安静を保つことで症状は治まるケースがほとんどですが、そのまま放置すると症状は進行していきます。

■ 中期

さらに変形性膝関節症が進むと、慢性的な炎症による強い痛みを常に感じたり、次第にO脚が進み、平地でも痛みのために歩きづらいなどの症状が出ます。

炎症が進行するため、膝が熱を帯びたり、腫れが生じたりすることも特徴です。クッションの役割を果たす軟骨がすり減ることで、歩くときや関節を曲げるときは、軋むような音がすることもあります。

■ 末期

運動や旅行など、特別なことではなく、日常生活に支障をきたすようになると、かなり症状が進行していると言えます。末期症状では、安静にしていても膝に痛みを感じるようになります。
普段通りの歩行やしゃがむ動作が困難になり、重症化して軟骨がほぼない状態になると、骨と骨が直接当たってすり減り、激しい痛みを伴います。

診断方法

膝の違和感や痛みの頻度に関する問診を行い、日常生活での様子を伺います。
その後、レントゲンやMRI検査を行い、関節の形状や関節軟骨の摩耗程度をチェックします。また、必要に応じて血液・尿検査にて、変形性膝関節症に伴う炎症や痛みの特徴を調べる場合もあります。

治療

変形性膝関節症の治療方法は、保存療法、手術療法があります。保存療法は、運動療法や薬物療法などで痛みなどの症状をやわらげる治療です。手術療法は、外科的な手術によって症状を改善する治療のことを言います。

最近では、保存療法と手術療法の間に位置する新しい治療法として、「再生医療」という選択肢も登場しています。治療にあたっては、各治療法にリハビリテーションやマッサージなどを併用することで、運動機能回復の相乗効果が期待出来ます。

膝関節の再生医療(PRP療法)について、詳しくは以下をご覧ください。

膝関節再生医療

予防方法

変形性膝関節症を予防するには、次の4つを意識して生活することが大切です。

  • 1. 膝への過度な負担を減らす
  • 2. 適度な運動で筋肉を鍛える
  • 3. 膝を冷やさずに温めて血行を良くする
  • 4. 日常的にストレッチを行う

膝への過度な負担を減らすには、変形性膝関節症は、膝への過度な負担も1つの原因です。膝に過度な負担を与えないために、”重い荷物を持つ、正座をする、和式トイレを使用する”などの膝に負担のかかる動作を避けて、ダメージを軽減することも大切です。

また普段の立ったり歩いたりする動作でも、意識的に正しい姿勢を保つことで膝にかかる負担を分散させられます。特にO脚やX脚の方は、インソールを使って膝関節の角度を補正することも有効です。

全く運動しないと膝の炎症と痛みが悪化するだけでなく、膝を支える筋力が低下して病気が進行してしまう為、適度な運動を取り入れ、膝を支える筋肉を鍛えましょう。適度な運動で筋肉を鍛える方法としては、脚を伸ばして仰向けに寝た状態で脚の上げ下げ運動をすると、膝を伸ばす筋肉である「大腿四頭筋」が鍛えられて効果的です。無理のない範囲で筋トレを行いましょう。

膝が冷えると血行が悪くなり、痛みが増すといわれています。サポーターやひざ掛けなどを活用し、膝を保温して血行を良くするよう心がけましょう。
ただし膝に腫れ感や熱感がある場合は、患部を温めると逆効果となります。すでに膝関節症の症状が出始めている場合は、安静にして専門医に相談しましょう。

膝の痛みがある方は、お風呂でストレッチすることも有効です。十分に身体が温まったあと、膝の曲げ伸ばしをすることで膝関節の動きを改善でき、膝の痛みを緩和出来ます。浴室で滑らないように注意しながら、無理のない範囲で毎日継続することが大切です。

半月(板)損傷

スポーツなどの怪我から生じる場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月に外力が加わって損傷する場合とがあります。半月は膝関節の大腿骨と脛骨の間にあるC型をした軟骨様の板で、内側・外側にそれぞれがありクッションとスタビライザーの役割をはたしています。この半月が損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じます。ひどい場合は膝に関節液が溜まったり、急に膝が動かなくなるロッキングという状態になって歩けなくなるほどの痛みを感じます。
損傷の状態によっては放置すると、さらに悪化して関節軟骨を傷めることもあります。

診断方法

徒手検査や症状の経過からも予測可能ですが、レントゲン写真では半月は写りません。その為、症状や診察で半月損傷の疑いがあればMRI検査を行います。MRI検査は非侵襲性で半月損傷の病態や合併する靭帯損傷の診断にも有効的です。

予防と治療

リハビリテーションや抗炎症薬の処方など、保存的治療で症状が改善する場合がありますが、改善しない際には手術を行います。手術法には損傷した部分を切り取る切除術と、損傷した部分を縫い合わせる縫合術の2種類があり、通常は関節鏡を使った鏡視下手術が行われます。

靭帯損傷(じんたいそんしょう)

靭帯とは、関節において骨と骨をつなぐ、コラーゲンを主成分とした弾力性に富んだ組織です。関節が過剰な方向に動かないよう、固定して安定をさせているのが靭帯の役割で、私たちの動作や運動においては非常に重要な役割を果たしています。

その靭帯が、事故やスポーツなどで過剰な力を受けて損傷してしまうことを「靭帯損傷」と言います。なかでも、膝の靭帯損傷はスポーツの場面などで起こりやすく、多くの競技選手が受傷するケガのひとつです。 靭帯損傷が起きた際は、ブツっという音を感じて、強い痛みが生じることが多いです。その後、靭帯からの出血により膝周囲に腫れや熱感が生じ、痛みが増すため、動かしにくくなってきます。体重をかけると痛みがあるため、まともに歩くことは困難になります。
また、深く膝を曲げることができず、立ち座りもまともに出来なくなります。

膝のケガへの応急処置

膝の靭帯損傷が疑われる場合、直ちに病院を受診することが望ましいですが、状況によっては受診するまでに時間がかかってしまうこともあるでしょう。その場合、ケガの応急処置をしておくことが重要です。
適切な処置をすることは早期回復につながります。

ケガをした際に一般的に行われている応急処置を「RICE処置」と言います。RICE処置とは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとったもので、多くのスポーツ現場などで行われている応急処置です。

診断方法

診察では、まず触診、視診、整形外科的テストによって健側と比較します。整形外科的テストでは、損傷が疑われる靭帯にストレスをかけて、痛みが強まるのか、緩みが生じるのかを診て、靭帯損傷の可能性があるのかを確認します。
はっきりと診断を下すには画像所見が必要ですが、レントゲンでは正確な判断をできません。そのため、靭帯損傷が疑われる場合はMRI検査を行います。MRIでは損傷部位や程度など、詳細な所見を抽出することが可能です。

予防と治療

靭帯損傷の治療方法は主に、保存療法と手術療法の2つが挙げられます。保存療法は、装具やサポーターなどで患部を保護しながら回復を待つ方法です。手術療法は、外科的な処置を施して患部を修復する方法です。損傷した部位によって治療方法が異なるので、まずは整形外科にご相談ください。

膝離断性骨軟骨炎

成長期のスポーツ選手で稀に起こり、繰り返されるストレスや外傷によって軟骨下の骨に負荷がかかる事が原因と考えられています。
初期では軟骨片は遊離せず、運動後の不快感や鈍痛の他は特異的な症状は出ません。関節軟骨の表面に亀裂や変性が生じると疼痛も強くなるためスポーツなどでは支障がでます。骨軟骨片が遊離すると、引っかかり感やズレる感じが現れます。大きな骨軟骨片が遊離すると膝の中でゴリッと音がする場合があります。
外側例では円板状半月を合併することがあります。発育期では安静や免荷などで自然治癒することが多く早期診断が大切です。

診断方法

初期には通常のレントゲン検査で写り難いため、MRI検査で診断します。
骨軟骨片が分離、遊離してくる時期はX線でも異常所見が出ます。特殊な方向からのX線撮影も診断に有効です。

治療

身長が伸びている発育期で、骨軟骨片が安定していれば免荷歩行や膝関節の安静などの保存的治療を選択します。レントゲン検査やMRI検査で回復が見られれば、徐々に元の活動を行えるようになります。軟骨下骨の骨癒合が遷延している場合や発育期以降では、関節鏡視下に患部の数カ所に穴を開けて出血させて治癒機転を促進させます。

保存療法で治療効果がない場合や、骨軟骨片が剥離し遊離する場合では整復固定術を選択し、不安定な骨軟骨片を骨釘や生体吸収性ピンなどを使用して固定します。
遊離骨軟骨片と母床の欠損が小さい場合、遊離骨軟骨片の摘出のみ行うこともあり、遊離骨軟骨片の状態が悪く骨癒合を期待できない際には、大腿骨非荷重部より採取した円柱状の自家骨軟骨片を数ヵ所に移植するモザイク手術があります。

オスグッド病

急激に骨が軟骨から成長する10~15歳の成長期の子供が、跳躍やサッカーなどのボールを蹴るスポーツをし過ぎることで発症します。脛骨結節が徐々に突出してきて痛みが現れます。時に赤く腫れたり、熱を持つ場合もあります。休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発するのが特徴です。発育期のスポーツを行う少年に起こりやすいです。

診断

診断は症状と同部の圧痛や隆起である程度可能ですが、レントゲン検査を行うことで診断されます。

予防と治療

成長期の一過性の病気で、成長が終了するとほとんどが治癒します。この時期はスポーツを控えることが大切になります。
症状を強くさせないためには、大腿四頭筋のストレッチングやアイスマッサージなどを行って痛みが強いときのみ、内服や湿布をします。

保存療法で治療効果がない場合や、骨軟骨片が剥離し遊離する場合では整復固定術を選択し、不安定な骨軟骨片を骨釘や生体吸収性ピンなどを使用して固定します。
遊離骨軟骨片と母床の欠損が小さい場合、遊離骨軟骨片の摘出のみ行うこともあり、遊離骨軟骨片の状態が悪く骨癒合を期待できない場合には、大腿骨非荷重部より採取した円柱状の自家骨軟骨片を数ヶ所に移植するモザイク手術があります。

痛みがなくなればスポーツは可能です。
発症後3~6ヶ月はスポーツをすると症状が強くなるため、スポーツ前後にストレッチング、アイスマッサージ、ベルトの装着などをした上でのスポーツすることが好ましいです。

スポーツによる膝の慢性障害

ランニングやジャンプを長時間繰り返し行うことで膝に痛みが生じてきます。痛みの程度によって重症度が異なります。

  • 軽症 : スポーツは可能だが、その後痛む

  • 中等症 : スポーツ自体に支障がないが、途中と後で痛む

  • 重症 : 常に痛みが生じ、スポーツを行うこと自体に支障が出る

  • 最重症 : 腱や靱帯の断裂

診断

軽症から最重症の症状があり、圧痛が限局していれば診断されます。

治療と予防

スポーツの前には、十分なストレッチングを行い、スポーツの後には15分ほどアイシングを行います。貼り薬や塗り薬も効果がある場合が多いです。
発症しても軽症、もしくは中等症であればスポーツは続けられるため、適切なコンディショニングによってそれ以上に悪化させないことが大切になってきます。無理はしないようにしましょう。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、ジャンプした際の着地などにより、膝を伸ばす太ももの筋肉である大腿四頭筋が強く収縮した時に起こります。ほとんどの場合、膝蓋骨が外側に脱臼します。新鮮例では膝関節の痛みや腫れが生じます。
生まれつきの素因を持っていることが多く、膝蓋骨や大腿骨の形の異常、大腿四頭筋の作用する方向と膝蓋靭帯の方向が異なっていることなどが挙げられます。また、膝蓋骨の脱臼や整復の際に膝蓋骨や大腿骨の関節面の一部が骨折することがあります。

診断

受傷機転や膝蓋骨内側の痛みや腫れ、膝蓋骨の不安定性や不安感が著明であることで疑います。
骨折の有無を見るため、必ずレントゲン撮影が行われます。
特に軸斜の撮影で骨軟骨骨折の有無を診断します。骨軟骨骨折を伴う場合は、関節血腫を生じて膝蓋骨の外方不安定性が著明です。
脱臼しても自然に整復されることが多いため、骨折がないと見逃されることも多々あります。

予防と治療

初回膝蓋骨脱臼では骨折がない場合、整復されていない場合は整復をした後に、外固定などの一般的な処置が必要になります。
反復性脱臼や、初回脱臼でも脱臼しやすい素因が明らかで、反復性脱臼になる可能性が高い場合や骨片のある場合には手術治療が勧められます。手術を行わない場合は脱臼しにくくするための装具を用いることもあります。
治療方針は年齢や病態などによりさまざまなので担当医とよく相談して決めることが大切です。
スポーツへの復帰は、膝の痛み、腫れ、運動制限などが消失し、筋力も回復してからの復帰となります。通常は2ヶ月以上かかります。手術を受けた場合、手術の方法にもよりますが3~6ヶ月を要します。

腓骨神経麻痺

腓骨神経麻痺では、腓骨頭部(膝の外側)が外部から圧迫されてしまうことにより生じるものです。下肢の牽引などで仰向けに寝た状態が続いたり、ギプス固定をしている際に腓骨頭部が後ろから圧迫を受けると引き起こされます。
膝関節の後ろ側で坐骨神経から腓骨神経が分かれ、腓骨神経が膝の外側にある腓骨頭の後ろを巻きつくかのように走行します。その部分は神経の流れが乏しく、骨、皮膚、皮下組織の間に神経があるため、外側の圧迫によって簡単に麻痺が生じてしまいます。

ガングリオンなどの腫瘤、腫瘍、開放創、挫傷、腓骨頭骨折やその他の膝の外傷などでも生じます。下腿の外側から足の甲ならびに小指を除いた甲の背側にかけて感覚に障害が生じ、しびれが生じたり、触った感じが鈍くなります。
足首(足関節)と足指(趾)が背屈出来なくなり、下垂足(drop foot)になってしまいます。

診断

腰部椎間板ヘルニアや坐骨神経障害との判別が必要な場合があります。確定診断では筋電図検査、レントゲン検査、MRI検査、超音波検査などを必要と判断された場合に行われます。 下垂足が発症し、前述した感覚障害があり、ティネルサイン(神経傷害部に衝撃を与えた際、その支配領域に疼痛が放散する)があると障害部位が特定出来ます。

治療

骨折や脱臼などの外傷、腫瘤によるものは早期に手術が必要とされます。原因が明らかでなく、回復の兆しが見られた場合は保存的治療にて治療を行います。3ヶ月様子を見て回復しなかったり、麻痺が進行する場合は手術が必要になります。

保存的療法では、圧迫の除去・回避、患部の安静、投薬、運動療法などが用いられます。

手術療法では、骨折、脱臼などの外傷で手術が必要と判断された場合や、腫瘤がある場合は手術を行います。神経損傷が認められた場合は、神経剥離、神経縫合、神経移植の手術が行われます。手術で回復の望みが見込めないものは腱移行手術(他の筋肉で動かせるようにする手術)を行います。気になることがあれば、整形外科医にご相談ください。

O脚・X脚

O脚・X脚とは、下肢の異常な変形のことです。

  • O脚(内反膝)
    両膝が外側に彎曲してしまう状態で、左右の内側のくるぶしを揃えても、左右の膝の内側(大腿骨内果部)がくっつかない

  • X脚(外反膝)
    両膝が内側に彎曲してしまう状態で、左右の膝の内側(大腿骨内果部)をそろえても、こちらは左右の内くるぶし(足関節内果部)がくっつかない

原因は生理的なものと病的なもので区別されます。一般的に、乳幼児の膝は生理的にO脚になっており、歩き始めると徐々に外反していき、2~6歳にかけて逆にX脚傾向になります。その後、7歳ぐらいで成人の下肢形態(約4°の外反と言われています)に近くなり、それに伴い外反は少し減少します。

病的なものでは、靭帯異常(内側・外側側副靭帯などのゆるみ、欠損など)、先天的・後天的な大腿骨・脛骨の異常(Blount病、くる病、骨系統疾患など)、外傷後の変形(骨端線損傷、骨幹部外傷など)に分けられ、片側だけの変形が認められた場合には、病的なものが考えられます。

初期症状は外見の異常だけですが、変形が高度になると痛みや機能障害が生じます。
幼少期に発症することがほとんどですが、青年期に発症することもあります。

診断方法

正確な問診や、理学所見(歩行開始後であれば歩き方も観察)、レントゲン検査などが行われます。
年齢不相応であるか、レントゲン検査で異常が認められたか、低身長などの内分泌性疾患(各種くる病)を想起させるものがあるか、遺伝性があるかどうか、などを参考にし、各種疾患の鑑別を行い、病的疾患の可能性がなくなった場合に、生理的O脚・X脚と診断します。

予防と治療

くる病のうちの一つであるビタミンD欠乏性くる病に関してはビタミンDを日常的に摂取することで予防出来ます。その他は特に方法がありません。

生理的なO脚・X脚は、自然に改善するので治療の必要はないと判断されます。 病的なO脚・X脚は、保存療法と手術療法に区別出来ますが、医療装具を用いた保存療法の効果は意見が分かれるところです。変形が高度になってしまった場合には手術が必要となり、下肢の異常形態を矯正するために骨切り術が行われます。 変形の程度によって、骨端線閉鎖を目的としたstaple(O脚では外側、X脚では内側に挿入)固定術を行うこともあります。
骨端線閉鎖とは、骨端線(成長板)が閉じてしまい、骨の成長が止まることを指します。

膝関節捻挫

膝関節捻挫とは、怪我をした関節の腫れや痛みといった症状が見られ、関節に力が加わって、通常の範囲を越えて骨同士が動いた場合に起こる怪我のうち、骨折や脱臼はレントゲン検査で診断がつきますが、レントゲン検査で異常がない関節の怪我は、とりあえず捻挫という診断になります。
しかし、捻挫という診断のままでは治療方針もたちません。その後の診察やMRI検査で靱帯や半月板、軟骨損傷などの最終診断を行います。

原因と病態

受傷の原因は、関節に直接力が加わるものと加わらないものがあります。
膝の関節の場合、関節に直接力が加わるものはタックルが直接膝に入ったことによる怪我、関節に直接力が加わらないものは着地で膝を捻じった怪我がその例として挙げられます。
靭帯の外傷は程度により、1度(部分断裂)から3度(完全断裂)に分類されます。

診断方法

診断の決め手はまず、外力のかかった方向や、怪我をしたときの膝の位置や姿勢など、怪我をした時の状態を詳細に聞くことから始まります。関節に血が溜まっているかどうかも診断の重要な要素となります。

その後の診察では、押さえて痛むところの場所、靭帯の怪我で関節が不安定になっていないか、などの所見をとります。MRI検査は多くの情報を与えてくれる有用な検査です。

予防と治療

捻挫の治療には、靭帯・半月板など、どの組織がどの程度の損傷しているかにより、手術による治療と手術以外の保存的治療のいずれかを選択します。

手術は関節鏡を用いるなど、小切開で行うものが多く、保存的治療の場合もギプスによる長期の固定はできるだけ避け、装具やサポーターを用いて早くから運動を開始する機能的治療が主体となっています。

直達外力による怪我は防ぐ方法がありません。
非接触性の怪我については、怪我をしないような身体の使い方や基本的な切り返し・着地動作をトレーニングで身に付けることによって、ある程度は防止できるのではないかと考えられています。

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